腰痛

更新日: 2026/03/04

腰痛というと整形外科のイメージが強いですが、実は内臓の病気が原因で腰に痛みが出ているケースも少なくありません。

安静にしていても痛む、熱があるといった場合は筋肉や骨の問題ではない可能性があります。

当院では、内科的な視点から腰痛の原因を探り、適切な診断と治療、または専門医への紹介を行います。

腰痛の場所や部位でわかる痛みの原因

腰痛の約85%は原因が特定しきれない非特異的腰痛ですが、痛む場所や部位、痛みの性質によっては原因をある程度推測できる場合があります。

整形外科的要因 (筋肉・神経のトラブル)

腰そのものに問題がある特異的腰痛の代表例が、椎間板ヘルニア腰部脊柱管狭窄症、骨粗しょう症による圧迫骨折などです。

加齢や悪い姿勢などが引き金となって背骨の神経が圧迫されたり、激しい運動などで筋肉や筋膜が損傷したりすることで、腰の痛みやお尻から足にかけてのしびれを引き起こします。

腎臓などの内科的要因 (場所と内臓の関係)

腰痛は、内臓の病気が原因で起こる関連痛の可能性もあります。

深部のうずくような痛みである傾向があり、正確な位置を特定するのが困難なのが特徴です。

  • 腎臓・尿路系:尿路結石、腎盂腎炎など
    → 背中から腰、または左右どちらかの脇腹にかけて強い痛みが走ることがある
  • 消化器系:胃潰瘍、十二指腸潰瘍、膵炎、胆石症など
    → みぞおちだけでなく、背中や腰に痛みが抜けることがある
  • 血管系:腹部大動脈瘤など
    → お腹や腰に脈打つような激しい痛みを感じる場合は、命に関わるため早期発見が重要
  • その他:子宮内膜症などの婦人科の病気、帯状疱疹 (皮膚に発疹が出る前のピリピリとした痛み) など

腰痛が癌だったケースと痛みの見分け方

腰痛が長引く場合、まれに脊椎腫瘍や他の臓器からの転移性骨腫瘍など、癌が原因であるケースが潜んでいます。

筋肉や骨格が原因の腰痛は体を動かすと痛みが強くなりますが、癌などによる悪性の痛みは、

  • どのような姿勢をとっても痛みが変わらない
  • 安静にしていても痛い (夜間痛など)
  • だんだん悪化していく

といった特徴があります。体重減少を伴う場合も要注意です。

危険なサインのチェックと病院での検査

単なる腰痛だと思っていても緊急性の高い病気が隠れていることがあります。

どのような症状に気をつけるべきか、そして病院でどのような検査を行うかをご説明します。

その腰痛は大丈夫?危険な症状チェック

以下のような症状がある場合は、早急な受診と検査が必要です。

見逃してはいけない危険なサイン

  • 突然の激しい痛み (大動脈解離などの可能性)
  • 38度以上の高熱や冷や汗を伴う (腎盂腎炎などの感染症の可能性)
  • 足の麻痺や強いしびれ、力が入らない
  • 尿が出ない、尿や便を漏らしてしまう (排尿・排便障害)
  • 胸の痛みや吐き気を伴う

診断と血液検査などの役割

問診で痛みの特徴や経過を詳しく伺い、身体診察 (背中の打診や腹部の触診) を行って痛みの原因部位を推定します。

整形外科のレントゲン検査では骨の異常は分かりますが、内臓の炎症や機能低下は分かりません。

そのため、必要に応じて以下の検査を行います。

  • 尿検査
    • 血尿や細菌感染の有無を調べ、結石や腎盂腎炎の可能性を探る
  • 血液検査
    • 体内の炎症反応 (CRPなど) や腎臓、膵臓、肝臓などの臓器機能をチェックし、内科的疾患が隠れていないかを確認

腰痛に効く薬の選び方とマッサージの注意点

痛みを我慢し続けると活動量が減り筋肉が衰え、さらに痛みが強くなるという悪循環に陥りやすくなります。

適切な治療と対処で痛みをコントロールすることが重要です。

病院で処方される薬と市販薬 (飲み薬・塗り薬)

痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤 (NSAIDs) の飲み薬や湿布などの外用薬を使用し、炎症を抑えて苦痛を和らげます。

内臓疾患 (腎盂腎炎や胃潰瘍など) が見つかった場合は、抗生物質や胃薬の投与など、原因に応じた内科的治療を行います。

ネット上の腰痛に効く飲み薬ランキングやおすすめの市販薬といった情報を鵜呑みにせず、ご自身の痛みの原因や体質に合った薬を医師や薬剤師と相談して選ぶことが大切です。

マッサージで悪化する?正しい対処法

急性の腰痛 (いわゆる、ぎっくり腰) の発症直後に無理な力でマッサージをすると、傷ついた組織の炎症をさらに悪化させる恐れがあります。

痛みが強くて動けない時は楽な姿勢で休み、患部を冷やすのが有効ですす。

ただし、過度な安静はかえって回復を遅らせるため、動ける範囲で普段の活動を続けることが現在の基本とされています。

すぐ効く!寝ながらできる腰痛ストレッチ

痛みが落ち着いてきたら、再発を防ぐために適度な運動やストレッチで柔軟性を保つことが大切です。

ただし、強い痛みがある時は無理をしてはいけません。

即効性のある寝る前ストレッチ

ベッドの上で寝ながら安全に行えるストレッチをご紹介します。

筋肉の緊張をほぐし、血流を改善する効果が期待できます。

膝抱えストレッチの手順

  1. あお向けに寝て、両手で片方の膝の裏を持つ
  2. ゆっくりと胸の方へ引き寄せる
  3. そのまま10秒ほどキープし、腰やおしりの筋肉がじんわり伸びるのを感じる
  4. 反対の足も同様に行う

参考:東京都立病院機構「腰痛の予防と対策

立ちながらできる予防と生活習慣

日常的に良い姿勢を保つことも、腰への負担を減らす重要な予防法です。

  • 姿勢の改善
    • 長時間のデスクワークなどで猫背になると、背骨のS字カーブが崩れて腰に負担がかかる
    • あごを引き、背筋を伸ばし、深く腰掛けることを意識しましょう
  • こまめな動作
    • 30分に1回は立ち上がって腰を回す、軽く伸びをするなど、同じ姿勢を長時間続けない工夫が大切
    • テレビ番組で紹介されるような腰痛体操も、無理のない範囲で習慣化すると良いでしょう

お体への不安・腰痛は一般内科へ

腰痛の原因は多岐にわたるため、自己判断は禁物です。

痛みが長引く場合やいつもと違う症状がある場合は、お早めにご相談ください。

何科に行くべきか迷った際の窓口として

整形外科に行くべきか、内科に行くべきかと迷われる場合もまずは当院へご相談ください。

重大な病気の見落としを防ぐため、内科医としての経験を活かして痛みの原因をしっかり見極めます。

検査の結果、骨や神経に明らかな異常が疑われる場合 (整形外科) や、手術が必要な場合 (泌尿器科、血管外科など) は、連携医療機関へ速やかにご紹介いたします。

長いお付き合いで健康をトータルサポート

当院では、一時的な痛みの緩和だけでなくその背景にある生活習慣病の管理や運動指導を含め、患者様の健康を長期的にサポートいたします。

どんな小さなことでも、お体の不安があればお気軽にご来院ください。

Dr.Yamamura So

やさしい内科クリニック院長 山村 聡

日本内科学会認定内科医。糖尿病や甲状腺・内分泌疾患、AGA治療を専門として治療を行っています。最近は保険診療以外にも低用量ピルなど自由診療の治療も実施しています。

経歴
九州大学医学部卒
高邦会 高木病院 臨床研修
昭和大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 助教
銀座有楽町内科 前院長
やさしい内科クリニック開院

参考文献
・日本腰痛学会「腰痛の種類
・日本整形外科学会「腰痛
・東京都立病院機構「腰痛の予防と対策
・MSD Manuals「腰痛 – 08. 骨、関節、筋肉の病気