内分泌・甲状腺外来

更新日: 2025/04/17

当院では、橋本病やバセドウ病などの甲状腺疾患に対する定期的な血液検査や処方を行っています。 さらに、原発性アルドステロン症、褐色細胞腫、副腎機能のスクリーニング検査なども実施しており、早期発見・治療に取り組んでいます。精査が必要な場合には、専門病院や大学病院へのご紹介もしております。

ここでは甲状腺や内分泌の特徴や治療についてご紹介します。

内分泌・甲状腺疾患とは

内分泌・甲状腺疾患とは、体内のホルモンバランスが正常に保たれなくなる病気です。
特に、甲状腺から分泌されるホルモンが過剰または不足することにより、体の代謝やエネルギーの調整に影響を与えます。代表的な疾患としての橋本病やバセドウ病は、甲状腺ホルモンの分泌異常を伴う自己免疫性疾患であり、それぞれホルモンの不足または過剰を引き起こします。
内分泌疾患が進行すると、体内の様々な機能に悪影響を与え、治療が遅れると合併症が発生する可能性もあります。

内分泌・甲状腺疾患の特徴

内分泌・甲状腺疾患は、主にホルモンの分泌異常に関係する病気です。甲状腺ホルモンの過剰または不足が体内の代謝に影響を与え、健康にさまざまな症状を引き起こします。特に、橋本病やバセドウ病は、甲状腺ホルモンの分泌異常によって発症します。 これらの疾患は、症状が現れるまでに時間がかかることが多く、気づいた時にはすでに代謝に影響が出ている場合があります。そのため、早期の発見と治療が重要です。

内分泌疾患

内分泌疾患は、体内でホルモンを分泌する内分泌腺(例: 下垂体、甲状腺、副腎、性腺など)の機能に異常が生じる疾患の総称です。
内分泌系は体のさまざまな機能を調節しており、その異常が様々な症状を引き起こします。

甲状腺疾患

甲状腺疾患は、甲状腺という臓器に関わる疾患です。
甲状腺は、体内でエネルギー消費や代謝を調節するホルモン(T3やT4)を分泌する重要な臓器で、内分泌疾患の中でも比較的頻度の高い原因臓器です。

症状について

こんな症状ありませんか?

体重の急激な変化

発汗異常

疲れやすい(倦怠感)

動悸や息切れ

多尿・喉の渇き

骨折しやすさ

月経異常

低血圧や高血圧

内分泌・甲状腺疾患の症状の特徴は、ホルモンの過剰または不足によって異なりますが、上記のような症状が見られます。 初期には自覚症状が薄いことも多いため、症状が現れた時には病気が進行している場合もあります。 内分泌・甲状腺疾患は症状が進行する前に定期的な検査を行い、適切な治療を受けましょう。

主な疾患や合併症

甲状腺疾患

  • 橋本病(甲状腺機能低下症)
    甲状腺ホルモンが不足し、代謝が低下する病気です。疲れやすさ、体重増加、冷え性、便秘、乾燥肌などの症状が現れます。
  • バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
    甲状腺ホルモンが過剰に分泌され、代謝が過剰になります。体重減少、動悸、発汗、手の震え、神経過敏などが特徴です。
  • 甲状腺腫瘍(良性・悪性)
    甲状腺に腫瘍ができると、腫瘍の性質によっては甲状腺ホルモンの過剰分泌(機能亢進)や分泌低下(機能低下)が起こる場合があります。 大きい腫瘍や、悪性が疑われる腫瘍では手術が必要になることもあります。
  • 甲状腺炎
    甲状腺に炎症が起きる疾患で、亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎、慢性甲状腺炎(橋本病も含まれます)があります。

内分泌疾患

  • 下垂体疾患
    下垂体から分泌される各種ホルモンの異常により多様な病態を生じます。甲状腺や、下記の副腎、性腺のホルモンをコントロールする上位ホルモンを分泌するため、慎重に精査・診断する必要があります。
  • 性腺疾患
    卵巣や精巣の機能異常により、ホルモン分泌が正常でなくなる病気です。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)や更年期障害が代表的です。
  • 副腎疾患
    副腎のホルモン分泌に異常が生じる病気です。副腎疾患には、副腎皮質ホルモンの分泌が低下するアジソン病(副腎不全)や、過剰になるクッシング症候群などがあります。

治療方法

内分泌・甲状腺疾患に対する治療方法は、疾患の種類や症状に応じて異なりますが、主に薬物療法、手術療法、そして生活習慣改善が重要な治療の柱となります。

薬物療法

内分泌疾患や甲状腺疾患において、ホルモンのバランスを整えることが治療の基本となります。

主な治療方法

  • ホルモン補充療法
  • 抗甲状腺薬

外科治療・アイソトープ治療

薬物療法で効果が乏しい場合や再発を繰り返すバセドウ病では、甲状腺の切除やアイソトープ(放射性同位体)によって甲状腺組織を破壊する治療が選択されることもあります。悪性腫瘍や、周辺臓器を侵す腫瘍は外科手術が重要な治療法となります。

主な治療方法

  • 治療抵抗性のバセドウ病に対する甲状腺切除またはアイソトープ治療
  • 抗甲状腺薬
  • 悪性腫瘍の切除

担当医師

やさしい内科クリニック院長 山村 聡

日本内科学会認定内科医。専門は糖尿病・内分泌疾患。

経歴
九州大学医学部卒
高邦会 高木病院 臨床研修
昭和大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 助教
銀座有楽町内科 前院長
東京ミッドタウンクリニック等で糖尿病・内分泌診療に従事
やさしい内科クリニック開院