ピル(経口避妊薬)は、女性ホルモンのバランスを整えることで避妊や月経トラブルの改善に効果があるお薬です。目的に応じて低用量ピルやアフターピルなどが処方されますが、医師の診察と適切な服用が必要です。ピルの服用をお考えの方は、まずその仕組みや種類、副作用などを正しく理解した上で受診するようにしましょう。
経口避妊薬(ピル)
経口避妊薬(ピル、Oral Contraceptives)は、女性ホルモンであるエストロゲンとプロゲステロンの働きを調整することで、排卵を抑制し、避妊や月経に関する症状を改善する目的で用いられるお薬です。
ピルは元々、避妊薬として開発されましたが、現在では月経困難症や月経不順、PMS(月経前症候群)などの治療にも幅広く活用されています。
使用の開始年齢は10代後半から30代以降まで幅広く、ライフスタイルや健康状態に合わせて処方されます。

ピルの効果と注意点
ピルは、避妊だけでなく月経トラブルの改善やホルモンバランスの調整など、女性の健康を幅広くサポートするお薬です。
適切に服用することで、月経痛や周期の乱れ・PMS(⽉経前症候群)、ニキビなどの改善といった効果が期待できます。また継続的に服用することで、子宮内膜症の予防や、卵巣がん・子宮体がんのリスク低下も期待されます。
一方で、ピルはホルモンに作用する薬のため、吐き気や頭痛、不正出血、血栓症などの副作用・リスクが起こることがあるため、持病のある方や喫煙される方は、注意が必要です。
効果

・高い避妊効果
・生理痛・月経不順の改善
・PMS(月経前症候群)の緩和
・ニキビや肌荒れの予防・改善
・子宮内膜症・卵巣がんなどの予防効果*
注意点

・服用初期の軽度な副作用
・血栓症のリスク
・毎日同じ時間に服用する必要がある
・一部の薬剤との相互作用
・自費診療になる場合がある
参考文献
*日本産科婦人科学会『産婦人科 診療ガイドライン 婦人科外来編 2023』
*日本産科婦人科学会『低用量エストロゲン・プロゲストーゲン配合剤 ガイドライン(案)』
副作用・リスク
副作用

ピルを服用し始めた際、以下のような軽度な副作用が現れることがあります。
“>よくある症状
- 吐き気・胃のムカつき
- 頭痛
- 胸の張り・乳房の違和感
- 不正出血(予定外の出血)
- 気分の変化(イライラ・落ち込み など)
このような副作用の多くは一時的なもので、時間の経過とともに自然におさまることが多いです。
重篤な副作用:血栓症

まれに、血栓症といった重篤な副作用が起こることがあります。
“>血栓症リスクが高まる可能性がある方
- 喫煙習慣がある
- 35歳以上
- 高血圧・肥満・糖尿病などの基礎疾患がある
- 血栓症の家族歴がある
上記以外でも、医師が処方に適さないと判断した場合は、処方できないことがございます。
血栓症の初期症状(足の腫れ・痛み、突然の息切れ・胸痛など)には十分注意し、異変を感じたらすぐに医療機関を受診してください。
症状について
“>こんなお悩みありませんか?
毎月の生理痛がつらい
月経不順が気になる
PMS(月経前症候群)を改善したい
生理日を調整したい
避妊に失敗してしまった
確実な避妊をしたい
これらの症状や不安、お悩みを感じている方には、ピルの活用が有効な選択肢となることがあります。ピルは避妊効果だけでなく、ホルモンバランスを整える作用があり、生理にまつわる悩みの改善にも役立つお薬です。不安や疑問がある方も、まずはお気軽にご相談ください。
ピルの主な種類

これらの症状や不安、お悩みを感じている方には、ピルの活用が有効な選択肢となることがあります。ピルは避妊効果だけでなく、ホルモンバランスを整える作用があり、生理にまつわる悩みの改善にも役立つお薬です。不安や疑問がある方も、まずはお気軽にご相談ください。
超低用量ピル(ULDピル)
- 特徴
エストロゲン量が最も少なく、他の経口避妊薬よりも副作用が起きにくくなります。 - “>主な目的
月経困難症や子宮内膜症の治療、月経量の多さや生理痛の軽減貧血・PMS・肌荒れの改善 など - “>服用方法
1日1錠、決まった時間に服用します。 - “>費用相場
ピル1シート(1か月分):約3,000〜4,000円
“>こんな方におすすめ
- 月経痛が重い、月経困難症の診断を受けている方
- 経血量が多く、貧血がある方
- PMS(月経前症候群)に悩んでいる方
- 低用量ピルで吐き気などの副作用が出たことがある方
- 妊娠希望が当面ないが、治療目的で使用したい方
低用量ピル(経口避妊薬)
- 特徴
避妊や月経トラブルの改善に効果的です。 - “>主な目的
避妊効果、月経痛・月経不順・PMS(月経前症候群)の改善、肌荒れやニキビの改善、子宮内膜症・卵巣がんリスクの軽減 - “>服用方法
1日1錠、決まった時間に服用します。 - “>費用相場
ピル1シート(1か月分):約2,000〜3,000円
“>こんな方におすすめ
- 生理痛や月経不順を改善したい方
- 生理前のイライラや頭痛(PMS)を軽減したい方
- ニキビや肌荒れに悩んでいる方
- 将来的に妊娠を希望しているが、しばらく避妊したい方
当院では、低用量ピル(経口避妊薬)をご希望の方に向けて、美容内服薬のご案内も行っております。
低用量ピルの処方も承っておりますので、月経に関するお悩みをお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。
中用量ピル(生理日移動用)
- 特徴
一時的なホルモン調整で、生理開始日を移動することができます。 - “>主な目的
旅行・試験・イベントなどに合わせて、生理日をズラすための一時的な服用 - “>服用方法
生理予定日の5〜7日前から服用を開始し、生理を移動させたい日まで服用します。服用終了から2〜3日後に出血が起こります。 - “>費用相場
診察料込み:約3,000〜5,000円程度(服用日数によって変動)
“>こんな方におすすめ
- 旅行・試験・イベントと生理日が重なりそうなため、一時的に周期をズラしたい方
- 大事な日を快適に過ごしたい方
- 一時的に生理をコントロールしたいだけで、継続的な服用は希望していない方
アフターピル(緊急避妊薬)
- 特徴
避妊に失敗した後、妊娠を防ぐための緊急的な薬 - “>主な目的
性行為後に避妊に失敗した場合の服用 - “>服用方法
性行為後できるだけ早く(72時間以内)1錠を服用します。
24時間以内の服用が最も効果が高いとされているため、なるべく早いタイミングでの受診をおすすめします。 - “>費用相場
診察料込み:約7,000〜15,000円前後
“>こんな方におすすめ
- 妊娠を希望していないのに避妊せずに性行為をしてしまった方
- 避妊に失敗してしまった方
当院では、アフターピル(緊急避妊薬)をご希望の方に向けて、美容内服薬のご案内も行っております。
アフターピル(緊急避妊薬)の処方も承っておりますので、緊急避妊薬をご検討中の方や、ご不安のある方は、どうぞお気軽にご相談ください。
※避妊目的や月経不順、PMS/PMDDなどの場合は「保険適用外(自由診療)」になります。
※月経困難症や子宮内膜症の治療目的でのピルの使用は、保険適用となることがあります。
※年齢・体質・既往歴によって処方の可否が異なるため、初回は医師の診察が必要です。
※価格や診療内容は医療機関によって異なりますので、詳細はお問い合わせください。
一般的な診察の流れ

予約
インターネット予約または、電話での診察予約を行なっています。
※当院では、保険診療を受診された患者の方に限り診療相談を受け付けています。
※未成年は保護者同意が必要となります。また50代以降の方は処方できないためご注意ください。


“>初診・カウンセリング
月経周期・体調・既往歴・喫煙歴などを確認し、ピルの適応やリスクを丁寧にご説明します。


“>処方・服用方法のご案内
ご希望や体質、利用目的に合わせて、適切なお薬を処方します。飲み方や注意点、服用中に気をつけたい症状なども丁寧にご説明します。


“>お会計・次回のご案内
お会計は自由診療となります(保険適用外)。継続処方をご希望の場合は、次回の診察時期やお薬の受け取り方法についてもご案内します。またオンライン診療や郵送対応が可能な場合もありますので、ご希望の際はご相談ください。
当院ではピルの服用を希望される方向けに美容内服薬のご案内をしています。 また、当院への通院が難しい方や要望に合わせた最適な内服薬をお探しの方向けに、オンライン診療を実施されている医院も複数ご紹介させていただいております。
※来院しての診療に関しては、保険診療を受診された方に限らせていただいておりますので予めご了承ください。