「最近、髪のボリュームが気になる…」
そんな悩みを抱える方にとって、ミノキシジルは一度は耳にしたことがある治療成分ではないでしょうか。
ミノキシジルは発毛を促す作用があるとされる治療薬で、外用薬として広く使われており、内服薬(ミノタブ)も一部で使用されています。
この記事では、医療の専門知識をベースに、
- ミノキシジルがどのように発毛に作用するのか
- 効果を実感するまでの期間や見直しポイント
- 注意すべき副作用や使用上のリスク
などを、医学的な観点からやさしく解説していきます。
これからAGA治療を始めたい方は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
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やさしい内科クリニック院長 山村 聡
日本内科学会認定内科医。専門は糖尿病・内分泌疾患。
経歴
・九州大学医学部卒
・高邦会 高木病院 臨床研修
・昭和大学 糖尿病・代謝・内分泌内科 助教
・銀座有楽町内科 前院長
・東京ミッドタウンクリニック等で糖尿病・内分泌診療に従事
・やさしい内科クリニック開院
※この記事は、消費者庁や国民生活センター・厚生労働省の発信する情報を基に、作成しています。
※「総額表示」の義務付けに則り、税込価格にてご紹介しています。
※本記事で紹介している施術は保険が適用されず、自費診療です。
※厚生労働省が掲げる広告に関するガイドラインに則った運用をしています。
※監修医師はQ&Aには関与しておりません。
ミノキシジルとは?
ミノキシジルは、科学的根拠に基づきAGA(男性型脱毛症)の治療に使われている外用薬です。
もともとは高血圧治療薬として開発された成分ですが、使用中に「多毛」が副作用として現れたことから、発毛への有効性に注目が集まり薄毛治療薬として実用化されました。
現在では、日本を含む世界各国でAGA治療薬として広く利用されており、皮膚科医の専門ガイドライン*でも最高評価の推奨度Aを獲得しています。
ミノキシジルは、血管拡張作用によって頭皮の血流を改善し、毛母細胞など毛根部への栄養供給を促進するとされています。
また、毛包自体に働きかけヘアサイクルを正常化することで発毛をサポートする仕組みも確認されています。
国内では外用薬が承認されており、フィナステリドやデュタステリドとの併用療法も行われている治療薬です。
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会
ミノキシジルの作用のしくみ|なぜ薄毛に効果が期待できる?

ミノキシジルはもともと高血圧の治療薬として使われていましたが発毛効果が認められたことから、現在ではAGAやFAGAの治療に幅広く活用されています。
ここでは、その作用メカニズムについて詳しく見ていきましょう。
ミノキシジルの主な作用メカニズム
- 血管拡張と血流改善
頭皮の血行を促進し、毛根への栄養供給を高める - 毛包への直接作用
毛母細胞や毛乳頭細胞を活性化し、毛髪の成長を促す - ヘアサイクルの調整
毛髪が成長する期間を長くし、抜け毛の期間を短くする - 活性代謝物への変換
頭皮の酵素によって活性化し、効果を発揮する
このように、ミノキシジルは「血管を広げるだけ」ではなく毛包自体にも多角的にアプローチして発毛を促す薬です。
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ミノキシジルの作用と発毛効果|男女それぞれの薄毛にどう効く?

ミノキシジルは、男性型脱毛症(AGA)・女性型脱毛症(FAGA)いずれにも科学的根拠のある治療薬です。
ここでは、それぞれの症状に対する効果を、臨床データを交えて紹介します。
男性型脱毛症(AGA)への効果
ミノキシジル外用薬の効果は、複数の臨床試験で確認されています。
特に日本皮膚科学会のガイドラインでは、14件のランダム化比較試験と1件のシステマティック・レビューの結果を踏まえ有効性が認められています。
国内の代表的な臨床試験データ
- 対象:300名の男性
- 期間:24週間
- 結果:脱毛部1㎠あたりの非軟毛数の平均増加数
- 1%ミノキシジル群:+21.2本
- 5%ミノキシジル群:+26.4本 ※有意な増加
また、有効性が出やすい部位としては頭頂部(O字型)が中心ですが、生え際(M字)にも一定の効果が見られるとされています。
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会
女性型脱毛症(FAGA)への効果
女性に対するミノキシジルの効果も、複数の臨床データにより明らかになっています。
ガイドラインでは、10件のランダム化比較試験と1件のシステマティック・レビューの結果からFAGAに対しても高い有効性が認められています。
国内の代表的な臨床試験データ
- 対象:280名の女性
- 期間:24週間
- 結果:脱毛部1㎠あたりの非軟毛数の平均増加数
- プラセボ群:+2.03本
- 1%ミノキシジル群:+8.15本 ※有意な増加
女性の場合、頭頂部や分け目を中心に毛髪密度が回復しやすく、頭皮全体にわたって毛髪密度が均等に増加する傾向があります。
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会
効果を実感しにくいと感じたときのチェックポイント

「ミノキシジルを使っているけど、思ったような効果がない…」
そんなときは、薬そのものではなく使用環境や生活習慣が影響している可能性があります。
以下のような点を一度チェックしてみましょう!
①使用期間が短すぎるケース
ミノキシジルは即効性のある治療薬ではなく、効果を実感するにはある程度の継続期間が必要です。
国内外の臨床試験やガイドラインでも、明確な改善が見られるのは4〜6ヶ月以降とされています。製品によっては「最低4ヶ月の使用」を推奨しているものもあります。
- 2〜4週間:初期脱毛の可能性あり(正常反応)
- 2〜4ヶ月:軽度な変化、まだ実感しにくい段階
- 4〜6ヶ月:多くの人で効果が出始める時期
- 6ヶ月〜1年:より改善が見られる
初期脱毛とは?
初期脱毛とは?
「AGA治療を始めたら、逆に抜け毛が増えた…!」 というケースがあります。これは初期脱毛と呼ばれる現象で、実は発毛の準備が進んでいる証拠でもあります。
AGA治療薬(特にミノキシジル)を使用すると、髪のヘアサイクルが正常化し休止期の毛が新しい髪に押し出されるため、一時的に抜け毛が増えることがあります。
初期脱毛の特徴
- 治療開始1〜2ヶ月目に発生することが多い
- 古い髪が抜け、新しい毛が生える準備をしているサイン
- 通常は一時的なもので、3ヶ月目以降には落ち着く
初期脱毛は一時的な現象なので、怖がらずに治療を続けることが重要です!
特に女性の場合は1〜2%の低濃度製剤が主流のため、効果が現れるまでさらに時間がかかる傾向があります。
ミノキシジルは使用を中止すると効果が失われやすいため、「最低でも6ヶ月以上は継続する」「途中でやめない」という姿勢が、効果を得るためにはとても重要です。
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会
参考:厚生労働省「添付文書(リアップX5)」
参考:PMDA(医薬品医療機器総合機構)
②使い方が適切でないケース
ミノキシジルは、正しい方法で使わなければ効果を発揮しにくくなります。
- 使用量や頻度を自己判断で変えている
- 塗布部位が適切でない
- 定期的に使っていない など
特に外用薬は、1日2回・適切な量を決められた頭皮部位に塗布することが重要です。
また、過剰な使用や回数の増加は逆効果になることもあり、副作用のリスクを高める可能性があるため注意が必要です。
③他の治療との併用を行っていないケース
ミノキシジルは「発毛促進」の役割を持つ薬剤ですが、「脱毛抑制」の作用はありません。
AGAやFAGAの治療では、原因物質(DHTなど)による影響を抑える必要があるため以下のような治療との併用が効果的です。
併用する治療 | 主な作用 | ミノキシジルとの相乗効果 |
フィナステリド | DHTの生成を抑えて脱毛進行を抑制 | ミノキシジルの発毛作用と組み合わせることで発毛・維持効果を高める |
デュタステリド | より広範囲にDHTを抑制 | フィナステリドで効果が乏しい場合に検討される |
LED・低出力レーザー | 細胞活性化・血流促進 | ミノキシジルの血行促進作用を補完する |
上記のように、ミノキシジルは他の治療法と組み合わせることでより大きな効果が期待できる薬剤です。
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会
④生活習慣が効果を妨げているケース
発毛治療において、生活習慣は無視できない要素です。
- 睡眠不足
- 偏った食生活
- ストレスの多い生活
- 喫煙や過度な飲酒
これらはすべて、毛髪の成長や薬の効果にマイナスに働きます。
栄養素では、亜鉛・ビタミンB群・たんぱく質などが毛髪成長に関与していることが分かっています。バランスの取れた食生活や十分な睡眠を意識することで、治療効果をサポートできます。
ミノキシジルの正しい服用方法と注意点
ミノキシジルの効果をしっかり引き出すには、正しい使用方法を守ることがとても大切です。
間違った使い方をしてしまうと、効果が出にくくなったり副作用のリスクが高まったりする可能性があります。
外用薬(塗るタイプ)と内服薬(飲むタイプ)では使い方が大きく異なります。
それぞれの特徴を理解して、安全に使い続けましょう。
外用薬(塗り薬)の使い方
外用薬は、頭皮に直接塗って使うタイプです。
リアップなど日本で認可されている製品の使い方を参考に正しい塗布の方法を確認しておきましょう。
塗る前の準備
髪と頭皮は、事前に清潔で乾いた状態にしておくのがポイントです。
シャンプー後などはしっかり乾かしてから使いましょう。
塗布のポイント
項目 | 正しい使い方 | 注意点 |
塗布量 | 1回1mL(製品付属の計量器具を使用) | 適量を守る |
使用頻度 | 1日2回(朝と夜) | 約12時間空けて使用 |
塗布する場所 | 薄毛が気になる頭皮に直接 | 髪の毛に塗っても効果が出にくい |
塗布後 | 手を洗う | 他の部位に付着すると刺激を起こすことがある |
ミノキシジルは、たくさん塗ったからといって効果が上がるわけではありません。
用法・用量を守って使うことが大前提です。
内服薬(飲み薬)の使い方
※日本でのAGA治療では未承認(適応外使用)
ミノキシジルの内服薬は、日本国内ではAGA治療薬として承認されておらず、推奨度D(行うべきではない)とされています。
使用する場合は、医師の判断に基づいて慎重に管理されるべきものです。
- 用量や服用頻度は、体質やリスクを考慮して医師が決める
- 自己判断での使用や、勝手な増量・中断は非常に危険
- 飲み忘れた場合は、次のタイミングまで待ちまとめて服用しない
安全に使用するためには必ず医師の指示に従いましょう。
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会
使用における重要な注意点と禁忌事項
ミノキシジルの使用にあたっては、ご自身の健康状態や脱毛のタイプを正しく見極めたうえで、適応対象に当てはまるかどうかを確認することが大切です。
とくに使用を避けるべき方や、注意が必要な方については、あらかじめしっかり確認しておきましょう。
使用を避けるべき方
- ミノキシジルや製品成分にアレルギーがある方
- 未成年者
- 妊娠中・授乳中・妊娠の可能性がある女性
- 壮年性脱毛症以外の脱毛症(円形脱毛症・甲状腺疾患などによる脱毛)
- 頭皮に傷・炎症・湿疹などがある方
使用に注意が必要な方
- 過去に薬や化粧品でアレルギー症状を起こしたことがある方
- 高血圧または低血圧の方
- 心臓疾患・腎臓疾患のある方
- むくみが出やすい方
- 65歳以上の高齢者
- 甲状腺機能障害の診断を受けている方
安全に使用するためには、自己判断での使用は避け必ず医師の診断や専門家の指導のもとで治療を行いましょう。
参考:PMDA添付文書情報(リアップシリーズ)
参考:米国食品医薬品局 (FDA). Drug Label Information (Loniten Tablets, Rogaine)
ミノキシジルの副作用
副作用の出方は、使用する剤型(外用薬・内服薬)、濃度、使用部位、個人の体質によって異なりますが、副作用が現れる可能性もあります。
異常を感じた場合は、自己判断せず医師に相談することが大切です。
外用薬の一般的な副作用
外用ミノキシジルは頭皮に局所的に作用する薬剤であり、全身性の副作用は比較的少ないとされています。
ただし、塗布部位での皮膚症状や一時的な抜け毛増加(初期脱毛)は比較的よく見られます。
初期脱毛(治療初期に一時的な抜け毛)
ミノキシジルの使用初期に「抜け毛が増えた」と感じる方もいます。
これは薬がヘアサイクルに作用して古い毛が新しい毛に押し出されるために起きる「初期脱毛」と呼ばれる現象です。
- 通常、数週間~数ヶ月以内に自然に落ち着きます
- 治療効果が現れ始めているサインともいえます
頭皮のかゆみ・発赤・乾燥などの皮膚症状
- 特に5%ミノキシジル外用薬では皮膚症状の頻度が高まる傾向があります
- 男性:5%ミノキシジル群で6%、2%群で2%、プラセボ群で3%
- 女性:5%ミノキシジル群で14%、2%群で6%、プラセボ群で4%
参考:男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会
その他の症状
- 頭痛、ふらつき、むくみなどの循環器系の症状
➡︎ 特に高濃度製品の使用時や、広範囲への塗布で吸収量が増えると発生リスクが上がるとされる - 顔や体毛が濃くなる(全身性多毛症)
➡︎ 特に薬剤が頭皮以外に付着した場合や、過剰塗布による吸収で起こりやすい
内服薬の重大な副作用
※日本でのAGA治療では未承認(適応外使用)
海外(米国FDAなど)では使用されているものの、副作用への警戒が強く呼びかけられています。
特に注意が必要な副作用として、以下のような心血管系の症状が挙げられます。
- 胸痛、動悸、頻脈、息切れ
- むくみ(顔・手足)、急激な体重増加
- 呼吸困難、心膜液貯留、心タンポナーデなど
これらは、ミノキシジルの血管拡張作用が全身に及びすぎた場合に発生するおそれがあるとされ、特に高用量内服では注意が必要です。
参考:FDA添付文書
副作用が心配な場合でも、自己判断での中止は避け必ず医師に相談しましょう。
医師の指示のもとで適切に対処することで、多くの場合治療を安全に継続できます。
ミノキシジルについてよくある質問
ミノキシジルについて、よくある質問とその回答をまとめました。
治療の際の参考にしてください!
Q1:ミノキシジルって何歳から使えるの?
A1:一般的に市販製品では「20歳以上」が目安とされています
年齢制限は安全性に基づいて設定されています。
自己判断せず、該当しない場合は医師に相談しましょう。
- 未成年は副作用リスクが高いため非推奨
- 高齢者は個別に医師と相談することが望ましい
Q2:ミノキシジルって汗かいても効果落ちないの?
A2:塗布直後に汗をかくと吸収が不安定になる可能性があります。
成分が汗と一緒に流れてしまうと、効果が十分に発揮されにくくなります。
- 塗布後は30分程度は汗をかかないよう注意
- 運動や入浴は塗布前に済ませるのがベター
Q3:塗ったあとはドライヤー使ってもいいの?
A3:塗布後すぐのドライヤー使用は避けた方が無難です。
風圧によって薬剤が飛散する可能性があるため、自然乾燥を基本にしてください。
- 最低30分は自然乾燥を心がけましょう
- 強風や高温の風は特に避けましょう
Q4:ミノキシジルを使っているとヘアカラーはしない方がいい?
A4:基本的には併用可能ですが、頭皮の状態に注意が必要です。
頭皮に炎症やトラブルがある場合はミノキシジルもヘアカラーも一時中止を検討してください。
Q5:使用中に運動してもいいの?
A5:塗布直後の運動は避ければ問題ありません。
汗をかくと薬剤が流れてしまう恐れがあります。
- 塗布後1〜2時間は激しい運動を控える
- 運動後にシャワーで頭皮を整えてからの塗布が理想
Q6:飲酒とミノキシジルは一緒でも平気?
A6:少量の飲酒なら問題ありませんが、過度の飲酒は控えましょう。
アルコールは血圧や肝機能に影響するため、副作用が出やすくなる可能性があります。
めまい・動悸・むくみなどの症状がある場合は使用を中止しましょう。
Q7:頭皮マッサージと併用したら効きやすくなる?
A7:血行促進にはつながりますが、直接的な効果を高める根拠はありません。
補助的な役割として行うならよいですが、過度な期待や力を入れすぎないようにしましょう。
Q8:他の薬と併用しても大丈夫?
A8:併用は可能ですが、必ず医師に確認してください。
とくに循環器系の薬との併用には注意が必要です。
自己判断せず、医師に相談のうえで使用しましょう。
- 血圧や心臓に影響する薬とは注意が必要
- AGA治療薬との併用も、医師の指導が前提
Q9:ミノキシジルはどこで買えるの?
A9:市販薬(外用薬)は薬局や通販で購入可能です。
内服薬は原則として医師の診断・処方が必要です。
安全性の観点から、信頼できる販売元を選びましょう。
- 外用薬は市販品(例:リアップ)で入手可
- 内服薬は医師の処方が必要(日本では未承認)
- 個人輸入品の使用にはリスクあり
Q10:ミノキシジルって女性でも使えるの?
A10:女性用製品(1%濃度など)は使用可能です。
ただし、女性のほうが副作用の影響を受けやすいとされているため医師と相談しながら使用するのが安心です。
- 女性には1%製剤が基本(市販品あり)
- 妊娠・授乳中は使用を避ける
不安がある場合は医師に相談しましょう。
ミノキシジルの処方なら当院まで
ミノキシジルは科学的根拠に基づいた効果が期待できるAGA・FAGA治療薬ですが、適切な効果を得るためには正しい診断と個々の状態に応じた治療計画が不可欠です。
当院では、日本皮膚科学会のガイドラインに準拠した安全で効果的なミノキシジル治療を提供しております。
フィナステリドやデュタステリドとの併用療法により、治療の選択肢が広がります。
薄毛でお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。